読んだ本の感想です。
著者は政策金融公庫に勤めている方です。
Twitterでこの本の存在を知り購入しました。
現在私は融資の結果を公庫からの返事待ちという私の状況もあり気になって読みました。
感想としては社会の教科書みたいなお堅い感じです。
データや統計を元に書かれています。
私も3年間農家のもとで研修をうけたことから共感できる部分もありました。
本の内容と感想を交えながら書きたいと思います。
本の流れは
・農業の現状、地方と農業の共存の必要性
・農家の実態、ブラック業界
・ブラックからの脱却
・公庫のお手伝い内容
てきな流れです。
農業がブラックはすでに分かり切ってますね。
ブラックいう考え方にもよります。
長時間の労働時間→
作っている作物によります。適正な収穫時期が決まっているので、それを考慮しながら農家は作付けをします。
作付けした時の計画では、Aの作物を7月の後半2週間で収穫しよう。
Bの作物を8月の頭から2週間で収穫しよう。
隙間なく計画をたてればパートさんが暇になる時間もなくなる。
あくまで計画です。
実際は、
7月の後半1週間雨で畑に入れません、、
8月になり晴れた
しかしAもBも取らないといけない。Aも腐ってしまう。
今までより早く来てもらって朝からAをやって昼からBを暗くなるまで収穫しよう。
ということがよくあります。
じゃあ同じAのものだけずっと作っていればいいのではないか。
それもできません。
連作障害といって同じ畑で同じものを作れるのは長くて3年までとかです。
病気になってしまうので。
ぐるぐるローテーションしています。
農家っていろいろ考えてやるんですよ。ある意味ブラックかもしれないですね。
考えることが多すぎ、マニュアルなさすぎ、etc、、
本を読んでいて一番驚いたのは平均所得額です。
全世帯平均所得552万円。
北海道の平均も気になってググってみると787万円という記事を見ました。いつのかは不明です。
やはり北海道は高いですね。
しかしこれは農業全体です。野菜以外にも酪農や養豚養鶏など含まれています。
正直野菜や作物類は低いです。
これは研修しているときから気づきました。
あれ?イメージより儲かってないなと。
内訳としては、半分近くが作物収入でのこりは補助金など。
これはやばい業界だなと思いました。
誰がこんなのやるんだと。
酪農はどんどんスマート化していっています。
本にも記載されていましたが、無人の搾乳機の酪農家への導入は半数近くあるそうです。
機械により牛の体調も借りされていることからかなりのホワイト化が進んでるといえます。
しかし新規で酪農はほぼ無理です。
初期投資が果てしない。
地方との共同経営や既存農家への後継ぎなどで参入することはできそうですが、
なかなかハードルが高いです。
ブラックからの脱却方法ですが、既存の農家にとっては難しそうです。
具体的には法人化を目指し、在庫管理や経営の見直し、作物のブランド化などです。
法人化は数万円でできるとして、経営の見直しです。
これはほぼやらないでしょう。
在庫管理って会社なら当たり前です。
会社のお金で買った備品を大事に管理してみんなで使います。
しかし農家実情は家のお金も農業に必要なお金もごちゃまぜです。
会社員を経験していれば在庫管理なんてなんも苦ではありません。
在庫を抱えたくないし、無駄にスペースを使いたくありません。
ですが購入もざっくりで購入しいろんな場所で保管してあります。
足りないっていうのが一番嫌なので、とにかく余分に注文。
場所が決まっていないので、探すという無駄時間が発生します。
整理整頓されている農家はほぼ少数です。
そもそも家族経営ばかりなので他人がものを探す想定などしていません。
そりゃ後継ぎもいなくなるわと日々思います。
後継者問題について平均収入が高い北海道は他県より人より良い暮らしができているので焦っていないかもしれません。
今が良い暮らしできているのにめんどくさいルールをなぜつくらなくちゃいけないのか。
農協に出しているだけで今の暮らしができていればいいと考えている人もいるかもしれません。
本の中では異業種からの新規就農の活躍やブランド化に成功した農家の例など数例紹介されていました。
このままでは日本の農家が終わってしまう。
今までのブラック農家から脱却せねばと。
若者がどうすれば来るのかと。
答えは儲かるようにするです。
世の中には便利なものがどんどんでてきています。
東京圏ではウーバーイーツは当たり前です。
しかし東京だけです。
地方ではみんな車を持っているため自分で買いにけるという手段があります。
ポチるだけで野菜まで届く世の中です。
燃料代が上がることによって配送費も上がりますが、
農家の手元に入ってくるお金は変わりません。
大きな食品メーカーは食品ロスを無くそうとB品の加工に力を入れます。
農協がB品を取り扱って正規品より安い値段でメーカーに販売します。
消費者はロスを無くすための商品ならばとそれを買います。
正規品もB品の値段に合わせてさげるかもしれません。
正規品を目指すためにお金を掛けて作物を作っている農家は複雑です。
正規品が余れば値崩れが始まり廃棄になります。
農作業の機械化が進めばホワイト化になるかもしれませんが、
楽にたくさん作れても世の中にその作物が余りまくっては廃棄となるので、
需要と供給が重要です。
高いから買わないという感覚が結果的に農業を衰退へといざなっています。
正規品の作物の値段をもっと上げなければ農家なんて誰もやりません。
農家が自分たちでブランド化して販売せざるえません。
ただ作物を作っていればいい時代は終わりました。
そんな大変な農業にすでに下半身をつっこんでいますが。。。笑
農業はブルーオーシャンだ!と考え方を変えて挑戦していきます。